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Wakana LIVE TOUR 2019 ~VOICE~ 東京公演 感想

「Wakana LIVE TOUR 2019 〜VOICE〜」東京・中野サンプラザ公演(4月26日)に行ってきました。

こちらはネタバレを含みますので、気にされる方はご注意ください。また、マイナス表現がちょこちょこあるので、「文句のつけようがないほど最高だった!!」という感想を持たれた方も読まれない方が賢明です。

 

正直、アルバム「Wakana」に収録されている曲のうち苦手なものは何曲もあって、昨年のLiveで聴いた新曲は駄目なものがなかったので「どうしてこうなった…」という気持ちでのLive参加でした。全然ヘビロテしていないし、イントロドン出来ないしそもそも曲名を覚えていない。「この曲好きだな」ってちゃんと聴いていたのは、昨年のLiveでイントロを聴いた瞬間から「あ、これ好きかも」と思った「僕の心の時計」くらい。

Kalafinaでは落ちた気持ちでLiveに行ったことなんてなかったから、自分が作曲家優先で聴いているのを改めて強く感じたというか。Wakanaの声が駄目になったのではなくて、本当にただただ作曲家との相性が悪かった。あと多分ミュージシャンの演奏というか表現方法との相性。

そしてさらに開演前にホールに流れている音楽がまたもう昨年同様謎選曲というか全然気分がのらない。1曲目が「約束の夜明け」だったので、始まった後は「あぁ、そういうことね」となったけれど。

 

というわけでローテンションから始まり、更に上手一桁列の端でスピーカーが近かったからか音のバランスが悪くてですね。最初の方にジャカジャカ楽器が鳴る曲が続いてWakanaの声が聴き取れない。「記憶の人」からはWakanaの声が前面に出る曲が増えて持ち直した感があって、以後のジャカジャカ系の曲(翼、君だけのステージなど)もマシになっていたから、最初だからWakanaの声が出ていなかったのか、そもそも今回のLiveツアーで初披露(昨年未披露)な曲だから自信がなかったのか、それとも途中で音響さんからの調整が入ったのか。

というか最初の方の曲、CDではそんなにジャカジャカしていないのだけどどうしてこうなった。

 

正直、今回は新曲でもKalafina曲でもなく、カバー曲が1番安定して聴けた。その事実に悲しくなる。

「記憶の人」「時の音」の次はカバー曲コーナーで、「水の証」を含めて4曲歌ってくれたけれど、好きな曲=長年聴き込んでいる曲だからかきちんと自分のものにしている感があった。声の伸びもKalafina時代を思わせた。特に武部さんとの「ハナミズキ」は最高だった。

だからこそ、「oblivious」と「ひかりふる」の高音で声が出ていなかったのが残念でならない。特に「oblivious」は最後を歌わなければ完璧だったのにと思わずにいられないくらい、最後の高音のかすれが本当に酷かった。はっきり言っていってしまうと、それまでの流れが一気に台無しになったようだった。少なくとも私はそう感じた。

東京公演限定で武部聡志さんが登場してWakanaと共演してくれて、昨年のLiveのような素敵な組み合わせで素敵な音楽を聴けると思い、まず「ハナミズキ」が最高に素敵で心が洗われるようで、次に武部さんアレンジの今まで聴いてきたものと印象が全く違う「oblivious」が来てすごく格好良くて。最高の流れが来ていたのに最後で落ちてしまったのがとてつもなく残念。武部さんから「弾いてみたかった」と言っていただけた、まさかここで聴けるとは思っていなかったけれどその言葉を聞いた瞬間「もしかして…」と期待してしまったからこそ余計に落胆が大きいのだろうなとは思う。

まぁ、もともとKalafinaのときもWakanaの高音がかすれるたびにモヤモヤしていたから他の人より敏感なのだろうけれど、無理をしないと出せないのであれば、そこまでして歌わなくていいよと思ってしまう。難易度が高いのが分かっていて、それでも歌うならきちんと歌いきってほしい。当日に武部さんとリハをしなくてもあそこまで合わせられる技量を持っているのだからこそ、余計にそう思う。

 

 昨年のLiveで武部さんがステージに上がってくださったのはECだったから、武部さんが退場された後も続いて「あ、まだ終わらないんだ」と思ってしまったりしたけれど、その後もまぁ楽しめました。でも新曲のなかでは比較的好きだった「金木犀」ほか後半のバラード曲がCDの方が好きかな…となったり、「時を超える夜に」はCDよりLiveの方が好きだな…と再認識したり。基本的に声質が前面に出るバラード大好き人間なので、今までLiveでバラード系の曲を苦手に思ったことがなかったから少し戸惑った。まぁ、苦手な原因はミュージシャンの方との相性だと思われるのですが。

今回のバンドメンバーさんは、昨年のLiveのときよりは良いかなと思ったのですが、正直まだ足りない。別に比較対象がいなければ普通に良い演奏をしてくださったと思うのですが、個人的にはECの最後に演奏された「あと一つ」のキーボードで明確になったというか。

「あと一つ」はまだCD音源がないから、昨年の東京公演のECで武部さんが弾いてくださったものが記憶に残っているのですが、そのときすごく良い曲だな、好きだなと思ったのに、今回は全然そう感じなかったんですよね。当時、初めて武部さんのキーボードを聴いたときに「なにこの超絶上手い人…」と思ったんですよ。楽器ならピアノとヴァイオリンほか弦楽器の音色が好きな人間なんですが、この人が弾いたサントラとかあったら何時間でも聴けてしまうのではないかと思うくらい、キーボードなのに最高に上手かった。今回も「ハナミズキ」と「oblivious」の演奏がすごく心地よくて、目線がWakanaではなく武部さんに行ったりもしていました。武部さんが演奏している姿を斜め上から見させてほしい。

で、今回は初めて武部さんではないミュージシャンによる演奏の「あと一つ」を聴いたわけです。「あれ…?」と思いました。Wakanaが「あと一つ」を歌うと言ってくれたときは「おおっ…!」と思ったのに、いざ始まったら「何かが違うぞ」と。閉演後に友人へそのことを話したら同意してもらったので、私だけの感覚ではないのは確か。KalafinaのLiveでいつもピアノを弾いてくれた櫻田さんは偉大な存在なのだと改めて思った。

 

まぁそんなこんなで色々思いながらも無事終演となりました。

書きにくい書式になってしまったアンケート用紙に唸りながらもカキカキして、パンフレットを購入して撤収。悩んでいたファンクラブも一応継続しました。

Wakanaのことは応援しているけれど、追いかけ続けるかどうかは今後発表される楽曲次第かな〜と思っております。Wakanaの声を生かしてくれる作曲家、さらにはミュージシャンと1人でも多く出会えますように。