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正式十二単着付体験のために岩手旅行(えさし藤原の郷)をしてきた話

こんにちは、平安時代大好き人間です。

何がきっかけで好きになったのかは全然覚えていないんですが、平安時代の歴史や王朝文化が大好き、つまり必然的に十二単も大好き。

以前、徳島県にある寝殿造りの旅館「御所 社乃森」で宿泊&十二単体験をしたときの写真をTwitterに載せましたが、今回は岩手県の「歴史公園えさし藤原の郷」で十二単体験をしてきました。

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 体験直後に「ブログに書こう!」と思ってから早数ヶ月…

年が変わる前には投稿しなきゃ、と自分を叱責しながら書いています。一度文章が半分くらい消えたけど頑張った…

 

今回の旅行は、同じく平安時代大好きかつ結城光流先生ファンな友人が観たテレビCMのロケ地がえさし藤原の郷だったことがきっかけ。

せっかくだからと1日目に平泉、2日間にえさし藤原の郷という1泊2日旅行にしたら、実際にはえさし藤原の郷は平安時代大好き人間にとっては1日で回りきれないような魅力たっぷりの場所だったので帰る際にはリベンジを決意することに。

最高に充実した時間を過ごせたので、もっとみんなえさし藤原の郷に行くといいよ!という布教用ブログ記事です。写真たっぷりでお届けします。

 

 

えさし藤原の郷があるのは岩手県奥州市岩手県の下の方だけど、平泉よりは北です。

東北新幹線水沢江刺駅、または東北本線水沢駅が最寄駅です。駅周辺には特に何もない、よくある地方の駅なので都会の人はコンビニとかあまり期待しちゃダメですよ?

駅からえさし藤原の郷まではバスを乗り継いで行くことは出来ますが1時間くらいかかってしまうので、レンタカーまたはタクシーがオススメです。

タクシーだと乗りたいタイミングで乗るのが難しいというのと、なかなかの金額だったので今回はレンタカーに。運転してくれた友人よ、ありがとう。

水沢駅からレンタカーだと20分くらいでえさし藤原の郷に到着します。今回は1ヶ月前までに予約する早割を使って9:30-17:00で4,000円ちょっと(保険なし、往復ガソリン代込)でした。道路にも何箇所か標識が出ているのでスムーズに行けましたし、カーナビもあれば迷うことはないはず。

スタッフさんのお話だと平泉からレンタカーというお客さんもいるみたいなので、運転に慣れている方はどこからでも良いと思います。

 

 

えさし藤原の郷の十二単・束帯着付体験は完全予約制の有料です。どこかで体験したことがある方は「まぁそうだよね」となると思いますが、当日いきなり体験はできないのでご注意を。

えさし藤原の郷では公式サイトの予約フォームで1ヶ月前から予約ができます。空いている日も確認できるので、希望の日時がある場合はお早めに。

着付体験 | 歴史公園えさし藤原の郷

 

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向かって左手が受付

着付体験者は体験料に入場料が含まれるので、窓口のお姉さんにその旨を伝えたら、チケットとパンフレットをいただけます。

体験料もここでお支払い。今回は大垂髪やメイクといったオプションはつけなかったので、基本料金の21,600円(税込)×2人分。現金しか使えないのでご注意を。

いつもなのか期間限定なのかは分かりませんが、着付体験者ということで売店(お休み処えさし藤原の郷1F)の割引券もいただきました。

 

さて、着付体験は午後を選択したので、それまでは園内を満喫する時間です。

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牛車

入場ゲートを通ると、まずは牛車がお出迎え。靴を脱げば中に座れちゃいます。最初からテンションMAXになり、ここだけで大分時間を使うという予定狂わせの最初の難関でした。

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途中弓矢体験もしながら進むと、存在感溢れる建物「政庁」が出現します。

政庁内には奥州藤原氏が栄えていた頃の方々の人形も並んでいて、結構間近でみることができます。

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政庁

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政庁南門を通り抜けると「あ、大河ドラマで出てきそう!」な大路。

というか、えさし藤原の郷は平成5年の「炎立つ」に始まり大体の大河ドラマのロケ地になっているからきっと何度も映っているはず。建物だけじゃなくこういう場所にもワクワクする。

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で、大路のそばにはお待ちかねの伽羅御所!
十二単の着付体験も伽羅御所で行われるのですが、それより前にやっておきたいのが「時代衣装着付体験」です。簡単にいうと自分たちでパッと羽織るタイプの着付体験。
男性装束、女性装束、子供装束があり、烏帽子や笏といった小物も用意されています。

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体験スペースを過ぎると北対。

こちらは夢枕獏原作ドラマ「陰陽師」において安倍晴明邸のロケ地となった場所です。主演である市川染五郎さんが着用した衣装も展示されています。

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そのほかにも蔵人所や料理所があり、 双六や投壺、石投などで遊ぶこともできます。お時間があればぜひ。

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 伽羅御所を一通り見終わったらお昼ご飯。

チケットの半券を持っていれば再入場ができるので、一旦入場ゲートから出て、その隣にあるお休み処えさし藤原の郷のレストハウスへ。郷土料理などもお手頃価格で食べることができます。

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十二単の着付体験までまだ少し時間があるので寄り道をしながら伽羅御所へ。

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伽羅御所近くのスタッフさんに声をかけ、靴を脱いで伽羅御所内の一室へ。

今回は私と友人それぞれで十二単の着付けを体験するので、まずいくつかある衣装の中から好きなものを選びます。4つくらいあったかな。裳も白か薄い藤色か選べました。

選び終わったら上半身は肌着になるまで脱いで、襦袢を着ます。私はスカートだったので脱ぎましたが、ズボンを履いていた友人はそのままです。着付けの邪魔にならないよう、髪もまとめます。

襦袢を着たら長袴です。今回は歩きやすいようにということで、余っている部分を写真右側のようにそれぞれ側面から出していただきました。歩くときはその出っ張っている部分を持って歩きます。長袴は踏む位置を間違えると膝が伸ばせなくなるので、これは歩きやすくてよかったです。

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長袴

長袴を整えてもらったら次は単衣、その上に五衣。五衣は袿を5枚重ねたもので、写真では省略していますが、一枚一枚丁寧に着せていただいています。十二単でよく聞く「襲目」はここの色合いのことです。

ちなみに途中で暑くなったので扇風機をつけていただきました。

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五衣を着せてもらったら次は小豆色の打衣、表着、唐衣の順に重ねていきます。

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最後に裳をつけたら完成。腰で結ばれている唐衣の模様と同じ柄のものが裳の小腰です。表衣までを固定する役割があります。

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私の着付けはこれで終了。

友人の着付けが終わるまで椅子に座ってちょっと休憩です。十二単は遠目に見てもしっかりした印象がありますが、近くで見ても惚れ惚れします。

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友人の着付けが終わったら移動します。歩くときはこんな感じに長袴を持ちます。

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そ・し・て!いよいよお待ちかねの撮影タイム!!

写真を撮影してくださるオプションもあるんですが、今回は持ち込んだカメラでも撮影OKなことを予約時に確認して、持参したカメラでスタッフの方に撮影していただきました。ただでさえ使わない人にはよく分からない一眼レフを、私のNikonと友人のCanonの2台というややこしい組み合わせであったにもかかわらず「なるほど、勉強になります」と色々試しながら快く撮影してくださったスタッフの方に感謝。

「どんな風に撮りたいですか?」と希望を聞いてくださり、色々な角度から撮影してくださいました。

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以前に十二単を着たときは自分たちとスタッフの方しかいなかったので、撮影中に通りかかった他のお客さんの「え、動いた!」「人形だと思った」「かぐや姫みたい」という反応も面白かったです。

 

撮影してもらった自分のカメラをチェックする友人。平安装束と精密機器の共演ってなんだか面白い。

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そうしてあっという間に時間が過ぎ、体験終了の時間に。

ごそっと脱がせていただいたので、腕で持ち上げて重さもチェック。同じ枚数だけれど衣装によって1枚あたりの重さが違うそうで、友人の方はなかなか重かったです。大体の重さも教えてもらったけれど忘れてしまった…

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お片付けしていただいている隣でアンケートに答えて提出したら無事終了(アンケートは答えなくても大丈夫です)。

最初は緊張しましたが、友人の着付中に五衣の色を見て「夕張メロン色…」「これは…柿?いや、なんだろう?」みたいに私がカメラで撮影しながら声に出していたら場の雰囲気も厳かな感じから穏やかになってくれて、そのあとも互いに笑顔を浮かべながら体験できたのは良かったなぁと思います。

 

さて、十二単の着付体験が終わったらえさし藤原の郷は終了……ではないんですねこれが。

午前中に政庁と伽羅御所は見学しましたが、えさし藤原の郷の全体としては敷地のまだ半分も見ていないのではないかという事実が私たちに襲いかかります。

実はですね…着付体験の午後の部は13:00〜15:00なんですが、色々あってアンケートを書き終えたのが16:00近かったんですね… そしてそもそも午前中も政庁と伽羅御所以外にも行く予定だったのが、牛車や弓矢体験、時代衣装着付体験といった時間泥棒によって計画が破綻していたという。

なので、十二単の着付体験が終わってからタイムリミットの16:30(レンタカー返却が17:00のため)まで大急ぎで経清館、清衡館、義経持仏堂などを巡ることに。

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城柵ゾーンや金色堂などを見ることができなかったのは残念でしたが、とても充実した時間を過ごすことができました。

次は1泊2日えさし藤原の郷で、十二単の着付体験を午前と午後に分けて互いにがっつり写真を撮りあったり細部まで詳しく見て回るのも良いよね、なんて話を駅までの道のりでするくらい、とても楽しかったです。

ロケ資料館もあるので、平安時代好きだけじゃなくて大河ドラマなどの時代劇好きにもオススメです。

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そうそう、お昼ご飯を食べたレストハウスの隣には大きな売店があるんですが、そこではなんと!平安時代衣装の古布を使用したトートバッグやブックカバー(文庫本サイズ、御朱印帳サイズ)、髪飾りなどが販売されているのです。眺めているだけでもワクワクしてくるので、時間に余裕があれば是非立ち寄ってみてください。

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それではみなさん!岩手県に!平泉に行く際には!ぜひ一緒に「歴史公園えさし藤原の郷」もよろしくお願いします!!