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BSP「新選組」宵ノ章の感想

プリステ(プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE)でいただいたチラシに美しすぎる沖田総司(洸くん)が載っているのを見てBSP「新選組」に興味を持ち、友人と「ビジュアルの洸くんが美しすぎるし、尚輝くんも出演するなら観に行ってみない?」という軽いノリで、12月16日に上演された宵ノ章を観劇してきました!

今まで舞台に興味は持っていても「観に行きたい…!」という衝動はそこまでなかったので、今回のBSP「新選組」が自発的に行った初めてのオリジナル舞台(2.5次元じゃない)になりました。

 

もともと生まれが日野市、育ちが福島市の人間なこともあり、新選組は好き&知識があったので観るのを楽しみにしていたのですが、こちらの想像以上で「やっぱり舞台ってすごい」となりました。キャストさんの演技・殺陣・踊り、脚本・構成・演出・照明・音響などなど、すごかったです(語彙力不足)。

 ただ、自分の準備不足と「暁ノ章」を先に観なかったのが原因なんですが、「宵ノ章」の最初の方は新選組に関する記憶を掘り起こすまで「…?…??」となってしまいました… 何かしらの文学作品などを読み返してから観た方がよかったかなと少し後悔しています。

これから観劇される方は新選組に関する情報をある程度収集したり、記憶を掘り起こしたほうが、より楽しめます。

 

さて、ここからは演出などのネタバレが入るので、必要な方は自衛をお願いします。

 

 

 

まず冒頭。…冒頭と言っていいのかな?下手後方からとある方が登場し、客席下手側の通路を通って舞台に上がっていきます。ちょうど下手側の客席だったのでキャストさんとの距離は近かったのですが、明確な開演の合図もなく客席の照明も100%ではないにしてもついていたので完全に不意打ちでした。なのでちょっとびっくり。

ただ、本当のドキドキはこの後にありました。キャストさんが舞台に上がられてからだったかな、照明が完全に落とされまして。一応暗いだけなら大丈夫な人間なんですが、キャストさんの足音が本当に怖くて。隣に座っていた友人はそうでもなさそうだったので個人差だとは思うんですが、人が歩いている音だと分かっているのに得体の知れない恐ろしさのようなものを感じました。息が苦しくなるというか、心臓にくるというか。あともう少し怖かったら気持ち悪くなっていたんじゃないかと思ってしまうほど怖かったです。

そうしてしばらく経ってから、尚輝くん(土方歳三)と洸くん(沖田総司)のためにスポットが照らされるとようやくホッとできました。「新選組」は作品としてはとても面白かったのだけど、あの暗闇と足音をもう一度体験してくださいということになるとちょっとつらいかなというくらい私には怖かったです。幽霊のよう、というか現実味がない存在というか。常世のものではないような、そんな恐ろしさがありました。

 

そして吉田稔麿役の松田岳さんによって土方歳三沖田総司が紹介され、まずは「土方歳三の憂鬱」から。

土方歳三の憂鬱」は函館時代から始まります。土方さんの「死」を描いてから江戸へ。まず、尚輝くんの身のこなしがすごい。キレッキレです。もちろん演技もとても良くて土方歳三の葛藤をうまく表現しているなって思ったんですが、殺陣と踊りは目が勝手に尚輝くんに行きました。さすがダンスリーダーが任命したダンスを教える人…すごい… あうるすぽっとの舞台の幅はそんなに広くないし、目当ては尚輝くんと洸くんだから動いている2人を目で追うのはそんなに辛くないかなと上演前は思っていたんですが、そんな甘いことはなかった。

というか尚輝くんの土方歳三はもうただひたすらかっこいい。鬼の副長である土方歳三から芹沢さんや山南さんへの対応、長州への拷問など、苦悩・葛藤する姿が本当に良かった。鏡合わせや、仮面を使って内心の葛藤を表現する演出などもすごく良かったです。観ていてゾクゾクしました。そして木刀。源さんからの木刀を腰に差して池田屋に向かう土方歳三…良い…

いやはやもうほんと終始かっこよかったです。観に行ってよかった。

 

そして10分間の休憩。もともと上演前の時点で「BDどうしよっかな〜」と友人と話していたんですが、この時点で大分グラグラ来ていました。お金がね、お財布になかったら潔く諦めていたんですが、あったんですよね…というか出かける前に「あっ…」と思って追加していたんですよね。天秤が「買う」に傾きそうになるのを「今月いくら使ったと思ってるの!」と理性が引きとどめるんですよ。まぁ最終的に理性は負けたんですけどね。

 

そんな葛藤をしながら「沖田総司の純愛」へ。もともと友人が「洸くんに純愛なんか演じられたら惚れてしまう」と言っていたんですが、予感的中というか、洸くんの沖田総司やばい(語彙力喪失)。

終始かっこよかった尚輝くんの土方歳三に対して、洸くんの沖田総司は分かっていたことだけれど、ただただ美しい。そして色気と儚さが溢れている。昨日か一昨日のTwitterだと思うんですが、プリステメンバーが観劇しに来たときの洸くんの美しさはなんなんですか。男らしさがログアウトしていて、中性的。女として色々負けた気がする(もともと勝っていたとは思えないけど)くらい、日に日に美しさが増している気がする。同い年とは思えない。すごい。

でも美しいだけじゃなくて、仕草や殺陣や踊りには優雅さや力強さが見えていて、とても良かったです。岡田以蔵との戦いでの飄々とした感じも素敵だったんですが、池田屋事件のときの吉田稔麿との戦いは本当にゾクゾクきました。すごくかっこよかった。そして殺陣や踊りのときに羽織の右袖が肩から落ちるの「最高かよ」って思っていました。しかも袖が落ちているのって見た感じ洸くんだけなんですよね。他の人は落ちていない。「これは演出なのか?わざとなのか?もしそうだったらあざとすぎる…美しすぎる…」と。

そして、お茶目というか子どもっぽさもよかったです。「土方歳三の憂鬱」のときから土方さんを気にしている姿が目に入って「なにあれ可愛い」ってなっていました。それから子どもっぽいわけではないのだけれど、「あかりさんのところじゃないと眠れない」(意訳)の破壊力はすごかった… そりゃああかりさんも沖田さんに長州のことをひっそりと言ってしまうくらい落ちますわ… 2人が広げられた小袖の陰で抱きしめ合う演出とかとてもよかったです。結局あかりさんは沖田さんが幼い頃に傷つけた少女だったのか、とても気になる。

数いる沖田総司のなかでも、儚い雰囲気は持っているけどお茶目で芯は強い沖田総司がとても大好きなんですよ。つまり洸くんの沖田総司はどストライク!でした。幸せな時間をありがとう。

 

土方歳三沖田総司を中心に観ていたので感想も主にこの2人に関しての内容になってしまうんですが、それ以外に記憶に残っているものもいくつか。

まず、OP前の語りの部分。キャストの方々が舞台前方に正座で並んで「ときは明治◯年、〜」って声を合わせて語るんですが、これがまたかっこいい。合唱部だった名残か、ユニゾン大好き人間です。しかもちゃんとお腹から声を出していて、すごく迫力がありました。

 次にOP「夜獣覚醒」。この「浅葱色の幻」も印象に残っているんですが、それにしても「一億の〜♪」のインパクトがすごい。気を抜いていると脳内で勝手に流れ出します。OPの殺陣の要素が入った踊りもすごくかっこよくて、殺陣にもそれぞれ個性が出るんだな〜と楽しく観させていただきました。ただ、ですね。1つ気になることがありまして。キャストの皆さんがイントロに合わせて役名と自分の名前を名乗っていくんです。とてもかっこいいんです。でもその気持ちを上回るくらい思いました。速いよ!!!!と。各章のメインの方々(近藤勇芹沢鴨土方歳三沖田総司)と敵方である吉田稔麿はしっかりと時間が取られていて良かったんですが、そのあとが速すぎて早口言葉かと。「土方歳三の憂鬱」のときはいきなりスピードアップしたものだから、どの順番で名乗っているのかすら分からん!ってなりましたし、正直「沖田総司の純愛」のときも役名を聞くのが精一杯で、終演後にパンフレットを見ても顔が曖昧な方がいらっしゃいます…ごめんなさい…

そして演出なんですが、先にあげた「鏡」「仮面」「小袖」以外で印象に残ったものに、「表と裏」(勝手に命名)があります。「土方歳三の憂鬱」では正面から見えていたものが、「沖田総司の純愛」では裏側から見ているようになっているのがとても面白いなと思いました。あと同じ場面でも「土方歳三の憂鬱」では演じられていなかった続きが「沖田総司の純愛」では演じられているとか、その逆とか。

公式サイトの「ストーリー」に「それぞれの視点で描かれる、四つの物語」と記されてるのですが、全4話を見て初めて見えてくるものがある作品なんだなと実際に観てからすごく感じました。

 

最後に、覚書を兼ねて書いておきたいことがあります。それは「物販やばくないですか…」ということ。初めての舞台でどこまで欲しくなるか分からないし、開演前と閉演後に行くことになるなら、公演終了後の「BSPキャスト物販コーナー」に行ってみればいいのではという軽い気持ちで閉演後に行くことになったんです。本当に軽い気持ちだったんです。

そしたらなんなんですか!尚輝くんと洸くんがいる!!だと!!!

宵ノ章初日だから他の日よりは可能性が高いのかな、くらいには思っていました。多少の期待はしていました。でも2人とも来てくれてかつ隣同士に並んでくれるとは思っていなかった… もう並んでいるときから心臓がドキドキです。ただアンケートを書いていて並んだのが最後の方(後ろに10人もいない)だったので時間的に難しいかなとも思っていました。そしたら2人とも最後までいてくれて、しかも!尚輝くんに物販を担当してもらいました!!!今までで1番近くに尚輝くんがいる!!!

悩んでいたBD、並んでいる最中に「尚輝くんか洸くんのどちらかが担当してくれたら、(先ほど念のため書いておいた)予約用紙を出さずにはいられないだろう」と友人と話していたんです。

ライブなど音楽関係の物販ではあまり意識したことがないんですが、舞台って劇場のサイズ的にも1回に入るお客さんってそんなに多くはないじゃないですか。プリステのときに思ったんですよね、物販の購入数や予約数って明確な数字としてすぐに分かるから、関係者の方のモチベーションにも関わってくるのかなって。今買うかあとで買うか、支払う金額が一緒ならどちらの方がキャストさんや関係者の方が喜んでくれるのかなって。だからプリステではクレカが使えないのは痛かったけれどきちんと計画を立ててお金を取っておいて、EP4終了までに欲しいと思ったものは全て劇場の物販で買うようにしていました(総額いくらなんだろう…)。なので、私が今ここでBDを予約することで、もし尚輝くんや洸くんが喜んでくれたらなとても嬉しいことだなって思ったんです(見事術中に嵌っている)。

で、いよいよ私が待機列の先頭になりまして。前の方の流れ的にどうだろう?という感じだったんですが、それぞれの購入数の違いから尚輝くんの前が空きまして、もう緊張で心臓が飛び出すかと。だってもう、「え…あ…」ってなるんですよリアルに。生写真から言うつもりだったのにテーブルに広げられている写真の文字や絵柄が全然頭に入ってこなくて、(な、何か言わなくては…!)となり「…パンフレットを1つと、」が絞り出されました。ただそれでも生写真が認識できなくて、(これはもはや番号ではなく名前を言った方がいいのでは…!?)となったんですけど、頑張って目を凝らして1つずつ見ていき、なんとか私の身体のすぐそばに「土方歳三」と「沖田総司」があるのを見つけました。で、頭が働かないなか頑張って番号を言ったんですよ。そしたらね…尚輝くんが「土方歳三沖田総司でいいですか?」って!!!!手に取ってくれました。

頑張らずに最初からそう言えばよかった!!!なんかもう緊張してるのバレバレだったでしょ!?そして尚輝くんの敬語!!!私の方が年上なので普通に考えればまぁ敬語で対応されるのだけど、尚輝くんの敬語はほんとに新鮮でした。ありがとうございました。

 

で、そのときちょうど尚輝くんのすぐ横の洸くんのところに友人がいたらしく(極度の緊張で視界には尚輝くんともう1人のキャストさんと電卓を打ってくれたスタッフのお姉さんしか入っていなくて友人だと気づかなかった)、私がお願いした分で土方歳三の生写真がテーブルになくて、友人が「土方歳三の生写真まだありますか?」って聞いたら洸くんが「あれ、もうない?」と尚輝くんに聞いて、尚輝くんが「こっち、もうないね」って答えて、洸くんは隣のテーブルから友人の分の土方歳三の生写真を取った後に尚輝くんへ「こっちも補充しておくね」って!!

そのときはもう尚輝くんの隣にいるのが洸くんってことも頭から抜けるくらい緊張していたので、もうキャパオーバーで誰が話してるとか全然頭に入って来なかったんですが、よくよく思い出してみれば、私の体から数cmしか離れていない場所にあった手は洸くんの手だった。

なぜ話しているときの2人の表情を目に焼き付けておかなかったのかと思うけど、今回の洸くんは神々しかったから、近距離で直視するとかハードモードすぎるのでは… そんな洸くんに対応してもらってもきちんと購入できた友人を尊敬する。

 

そのあとに、「あっ!」となってスタッフのお姉さんに「BDの予約もこちらで良いんですか?」と聞いたら「用紙をご記入していただければ」ということだったので、プリステのバッグからサッと用紙を出してお願いしてきました。このあたりから少し挙動がマシになった感があります。

で、そしたらですよ、尚輝くんが笑顔で「DVDもありがとうございます」って言ってくれて!あぁ、今予約して良かったなと心底思いました(予約したのはBDだけどね!という脳内ツッコミはした)。

 

で、合計金額を教えてもらったら(あれ?安くない?)となり、見事にトートバッグの購入を忘れていて。スタッフのお姉さんが後ろのテーブルで作業しているときに「あ、あの!追加しても良いですか!?」って聞いたら尚輝くんがお姉さんに声かけてくれて、「バッグをお願いします」って言ったら尚輝くんが身体を斜めにして「これ?」って指さしてくれて「そう!それです!1つお願いします」となり、「買ったものはバッグの中に入れていい?」と聞いてくれて「は、はい!(もちろんですとも!!どうぞ御心のままに!)」となんだかまた挙動がおかしくなりつつ、そのバッグも取っ手のところを持って私に差し出してくれて、(こ、これは…御手に触れてはいけないし…私はどこを持てば…!?!?)となりながら平静を装いつつ、尚輝くん含め対応してくれた方々にそれぞれ「ありがとうございました」と言いながら去りました。

もうね、無理。キャパオーバーです。

そのあと先に物販を終えていた友人すら視界に入らずキョロキョロしていました。

 

友人とは前から「舞台沼は怖い」を合言葉にあんまり深入りしないようにと思っていたんですが、推し(便宜上こう呼びます)が実在するって恐ろしいですね… もう劇場を出てからは数分おきに「やばい無理死ぬ」って言っていました。舞台もとても良かったんですが、最後の爆弾も大きかった。

 

本当に「新選組」はとても素敵な舞台でした。観に行く決心をした過去の自分を褒めたいくらいです。そして「ここから先は(金銭的な意味で)地獄だぞ」とも言ってあげたい。覚悟を決めなさい、自分。

残念ながら「新選組」をもう一度観るのはスケジュール的に難しいのですが、「龍の羅針盤」「真田幸村」など過去のBSP作品を調べて「DVDとかBDほしい…」となったり、来年のBSPも観に行きたいねと話したり。暁ノ章もBDで観れたらいいなと思っています。

 

 

 

う〜ん…そろそろ舞台沼に片足を突っ込みそうなのでは…?